モルタル塗りの外壁をリフォームする場合の注意点
モルタル塗りの外壁をリフォームする場合の注意点
外壁をリフォームする場合は材料による違いを理解する必要があります。
外壁は大きく分けると湿式と乾式があります。湿式とはモルタル壁や漆喰壁などの塗り壁のことで、乾式の代表はサイディングです。
昔から塗り壁を使用する建築は高級なものに限られていました。お城や武家屋敷などは塗り壁が使われ、農家や商家の蔵にも塗り壁が使われています。
塗り壁の最大の特徴は防火性の高さです。
木材で造られた日本建築の最大の弱点が火に対して弱いことですが、塗り壁はこの弱点を克服してくれます。一方、江戸時代の庶民の住まいである長屋は外壁が乾式で板張りでした。そのため、屋根に瓦が葺かれるようになってからも、火事は周辺に燃え広がり、大火となることが多くありました。
最近の住宅建築においては、外壁の仕上げにはサイディングが増えてきました。サイディングは防火性能が向上し、防火地域、準防火地域の住宅でも使える耐火性能を持つものも製品化されています。
軽くて施工がしやすく、通気工法が使えるため構造材の乾燥にも役立ちます。価格もさまざまなグレードが用意され、一般家庭に急速に普及しました。
乾式工法のサイディングに対して、湿式のモルタル壁の利点も多くあります。
塗り壁特有の質感と重量感はサイディングからは得られないものです。
質感は性能とも直接かかわり、耐火性の良さはサイディングの比ではありません。強度も高く、ラス下地のものはコンクリートと同程度の強度があり、その分長持ちします。
大地震の時も二次的部材として地震力を吸収し耐震性に貢献します。リフォームにおいては安易にサイディングに張り替えるのはもったいなく、下地補修の上、塗装の塗り替えを行えば、また長期間にわたり性能を維持することができます。外壁リフォームでは職人が手間ひまかけて造った塗り壁は、簡単にサイディングに取って代わられるものではありません。
モルタル壁の外壁リフォームで注意しなければならない点は下地補修です。どんなに性能の良い塗料を使っても下地が悪いと簡単にはがれてしまいます。下地に問題のある塗り壁は職人による十分な下地補修が欠かせません。
塗料選びにも注意が必要です。一般の壁の塗装ではウレタン系かシリコン系の塗料が使われ、高級な仕上げはフッ素樹脂が使われます。
しかし、湿気を含んだ湿式壁の仕上げでは、防水性の高いシリコン系は塗り壁の湿気を内部に閉じ込めてしまいます。湿式壁のリフォームで使う塗料は、ウレタン系かフッ素樹脂にしたほうが無難です。
外壁塗装の耐久性には限界があるのでリフォームが必要
外壁は、雨や風に直接さらされる部分です。そのままでは、あっというまに老朽化してしまいます。それを防ぐために行われるのが外壁塗装です。同様に、屋根などにも塗装が施されるケースも多くあります。塗料によって、直接雨や風などが当たるのを防ぎ、汚れなどもつきにくくなります。
しかし、塗料も一定期間を過ぎると、劣化したり、剥がれたりしてきます。そうなった場合に、保護作用は弱まってしまいますので、リフォームをする必要があります。
リフォームの目安としては、塗料が剥がれていたり、壁にひび割れなどが生じているのがわかった時などがあります。塗料の耐久性によっても異なりますが、一般的に、5年を過ぎたらこまめにチェックしてみることが必要と言われています。リフォームをする場合には、まず業者選びをする必要があります。
業者の選び方のポイントは、丁寧な仕事をするかどうかという点があります。外壁塗装のリフォームでは、ただ塗りなおせばよいというものではありません。
まず、壁の補修をし、古い塗料や汚れを完全に落としてからでないと、塗装をしてもすぐにまた剥がれてくる可能性があります。
料金が異常に安い業者などの中には、古い塗料を落とすといった下準備で手を抜く場合があります。料金があまりにも高いところも問題ですが、支払った費用を無駄にしないためにも、丁寧な仕事をする業者を探すことが大切です。
最近では、ホームページなどで、作業の手順をわかりやすく紹介している業者なども多く見られます。また、塗料は重ね塗りをするのが一般的ですが、重ね塗りの回数なども明記している業者などもあります。
業者選びでは、ます見積もりをとりますが、その見積もりに詳細が記載されているような業者なら、ひとまず信用できる可能性が高くなります。また、打ち合わせの時に塗料の色見本を提示して出来上がりを確認することや、追加料金が発生する可能性を聞くなど、事前にチェックできることは全てチェックするようにします。このような確認作業を嫌がらない業者を選ぶことも大切となります。
費用は、使用する塗料の種類によっても異なります。
昔に比べると、さまざまな機能がある塗料が開発されています。汚れが付きにくいものや紫外線を防ぐ効果が高いもの、あるいは断熱作用がある塗料などもあります。一部は特殊なものとなるので、希望する場合には、事前に業者に相談してみるか、その塗料を取り扱っている業者に依頼する必要があります。
よい業者を探すためには、依頼する前に、質問をいろいろとしてみるのも有効な方法です。
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