外壁塗装でよくあるトラブル
一般的にトラブルが多いと言われているリフォーム業界ですが、特に外壁塗装はトラブルが多い住宅リフォームです。非常に残念なことです。
理由は「価格の相場」や「仕上がりの品質」が一般の方にはわかりにくいからです。
リフォームの中でもトイレやキッチンなど、水回りは商品が目に見えるので一般の方でも品質を判断しやすく、ネット上でも価格やグレードを容易に比較できます。
一方、外壁塗装などの塗装リフォームは、職人の技術が商品価値を左右するので、判断が非常に難しいです。
追加請求や手抜き工事など、「外壁塗装でよくあるトラブル」の事例や原因、対策をいくつか紹介いたします。
塗装開始後の高額な追加請求
外壁塗装に限らずリフォーム工事でよくあるトラブル第一位が「高額な追加請求」です。
「正当な追加請求」と「悪質な追加請求」があるので一概に「追加請求の全てが悪!」とは言い切れません。
トラブルを減らすためには、入念な事前診断を前提とした「塗装プラン」「見積もり」「事前説明」が非常に重要となります。
追加請求が発生する最大の原因は、事前の調査不足です。
悪質な業者の手法は、まず簡易的な事前診断を行い、安い価格の簡易見積りを提案し、契約を締結促します。
そして塗装工事が着工してから不具合箇所の補修工事を提案し、お客様が後に引けない状況で追加請求を迫るのです。
事前の現地調査には必ずお客様ご自身も立会い「明確な見積もりと詳細な塗装プラン」を塗装業者に要求してください。
当社の場合、以下のような現場調査報告書を作成し、不具合箇所の写真や症状・対策案を記載しお客様ご自身にも現状を把握していただきます。
極稀にですが、正当な追加請求も存在します。
入念な事前診断を行っても発見できない不具合があり、高圧洗浄を行った後に初めて発覚するケースがあります。
ほとんどの場合は追加請求無しでサービスで補修しますが、手間や材料費が別途で必要な場合は、追加請求が発生することもございます。
悪質な追加請求を防ぐ方法としては、お客様ご自身が事前の現地調査に立会うことが非常に有効です。
調査に同行して作業をチェックすることで、調査員が手を抜くことを抑止でき、外壁の現状をリアルタイムで説明してもらうこともできます。
些細なことでも疑問や不安な点は遠慮せずに調査員に質問してみてください。調査員の経験値やマナーなど垣間見れるので業者選定の判断材料になります。
また、提案された見積書をチェックし「◯◯一式」などザックリした内容の場合は要注意です。
まともな塗装業者であれば、事前診断の際に塗装する面積を実寸するので、平米単価での金額が記載されているはずです。
以下の見積もり事例のように、塗装箇所の平米数や部位の説明など詳細に明記されているか必ずご確認ください。
【 悪質な追加請求についてのまとめ 】
安い価格で契約締結し、塗装工事が着工してから高額な追加請求を迫られる。
【 原因 】
事前診断の手抜きで、明確な見積もりが出せない(出す気がない)。
【 対策 】
・事前診断に同行し、明確な見積もりと明細な塗装プランを要求する。
・見積書をチェックし、平米数や塗装箇所の明記を確認する。
手抜き工事
外壁塗装は「塗料品質」や「仕上がり品質」を一般の方が判断することが非常に難しく、それにつけ込んで手を抜く塗装業者が多く存在します。
悪質塗装業者の手抜き工事の目的は単純明快で、「簡単に利益を上げること」です。
簡単に利益を上げるためには材料費や人件費を削減する必要があります。
削減するために、本来必要な工事工程を省略するのです。
非常に自己中心的な考えで、同じ業界人として憤りを感じます。
悪質塗装業者は自分達の利益のために簡単に手抜き工事を行うわけですが、手抜き工事が住宅に大きな影響を及ぼすケースもあります。
手抜き工事がきっかけで雨漏りや躯体の腐敗に発展する危険性さえあります。
手抜き業者は住宅に関する基礎知識がほとんどないので要注意です。
よくある手抜き塗装工事の事例を紹介します。
【コーキングの打ち増し】
コーキング(シーリング)とは、窓のサッシ周りや玄関まわりなどに打設されているゴムのような素材で、水の浸入を防いだり、歪を吸収する役割があります。
コーキングの補修は、古いコーキングを剥がし、細かい破片まできれいに取り除き、新しいコーキング剤を打設します。
手抜き塗装業者は、古いコーキングの上から打ち増しすることで、コーキングの材料費と作業費を削減するのです。
【高圧洗浄後の乾燥期間短縮】
通常は高圧洗浄を行った後、2~3日の十分な乾燥期間を設け完全に乾燥させます。
乾燥が不十分のまま塗装を行うと、塗膜内側の水分が徐々に蒸発します。塗膜の内側で蒸発すると以下のように塗膜が膨らみ、短期間で塗膜が剥がれる要因となります。
手抜き塗装業者は、短期間で多数の現場をこなすために、高圧洗浄後の乾燥期間を省略し、相対的に人件費を削減します。
【材料費の削減】
塗料は通常「◯◯平米で1缶」というメーカーの規定が設定されています。
たっぷり塗装して塗膜の厚みを確保することで、高い耐候性が発揮できるので非常に重要な規定なのです。
手抜き塗装業者は、塗料を水で薄めて材料費を削減します(非常に多い事例です)。
酷い場合は、通常3回塗りのところを2回塗りで済ませ、材料費と人件費を削減するという悪質な塗装業者も存在します。
また、オリジナル塗料をすすめる塗装業者もいますが、ホームセンターで販売されているような安い塗料のラベルを変えて、自社のオリジナル塗料として使用しているケースが多く、塗料品質が悪いのでおすすめしません。
【下地補修を省略】
クラックや塗膜の剥がれなど、下地に不具合があれば必ず補修してから塗装を行います。
下地補修は「人間で例えると病気の治療にあたる工程」で、補修を省いて塗装を行うと見た目にはわかりませんが、塗膜の内側で不具合が進行して深刻化する危険性もあります。
手抜き塗装業者は、外壁塗装の最重要工程である下地補修を全く行わずにいきなり塗装を行い、補修工程を省くことで人件費を削減します。
【職人単価を下げる】
塗装職人はある程度以上の訓練が必要です。特にケレン清掃やコーキング打設などは経験が出来栄えを左右します。
経験値や知識が未熟な職人が作業すると塗装にムラが出たり、コーキングに空洞ができ、塗膜が長持ちしません。
手抜き塗装業者は、日雇い労働者やアルバイト、外国人労働者など訓練が不十分な職人を起用し人件費を削減します。
【手抜き工事業者の対策】
外壁塗装の手抜き工事は、見極めるのが非常に難しいです。
「手抜き塗装業者を見極めるコツ」と「手抜き工事の予防策」を紹介します。
・ネットで塗装業者の塗装実績や口コミをチェックする。
・提案された塗料の型番を調べて品質をチェックする。
・中塗りと上塗りの色を変えてもらう(中塗りを省略されないように)。
・商談時に細かい質問を投げかけ、「細かい人物像のイメージ」を植え付ける。
・塗装工事が始まったら、出来る限り立会う。
仕上がりの色が想定と違う
外壁塗装のトラブルで意外と多いのが「思っていた色と違う‥」というクレームです。
以下のような「色見本」を見ながら打合わせを行い、事前に塗料の型番まで確定させているのに、なぜトラブルになるのでしょうか?
色見本はサイズが小さく、美容院のカラーリングサンプルのようなイメージで、色の違いが非常にわかりにくいのです。
傾向として、「明るめの色は見本より実際の方が明るく」、「暗めの色は見本より実際の方が暗く」感じられます。
薄いピンクを選んだつもりでも塗ってみたら「真っピンクになってしまった!」なんてことになるのです。
このようなトラブルの最大の要因は、営業マンの説明不足です。
「色見本より実際の色の方が、明るめや暗めに感じてしまう特性」は塗装業界では当たり前の常識で事務員でも知っていることです。
営業マンがお客様に親身になることで多くのトラブルは回避できるのです。
事前にカラーシミュレーションのソフトを使ってイメージを確認することもできるので、特に派手な色を希望される方は是非お試しください。
カラーシミュレーションは以下のようなイメージです。
ご近所からの苦情
最後のトラブル事例は「ご近所からの苦情」についてです。
苦情の主な要因は「騒音」「臭い」「汚れ」などです。
塗装業者がご近所様に挨拶回りを行い、工事内容を説明することで苦情はほとんど発生しません。
【騒音】
塗装前に行う足場設置や足場撤去の際「カンカンカン!」という大きな音がします。
【臭い】
一般住宅の外壁塗装は水性塗料や弱溶剤の塗料を使用することが多いので、ほとんど臭いがすることはございません。
溶剤を使用する場合は、強烈なシンナー臭がするので事前の近所連絡は必須です。
【汚れ】
足場のメッシュを適切に設置することで、高圧洗浄水や塗料の飛び散りはほとんど起こりません。隣家の車にも毛布とビニールシートで養生する場合もございます。
近隣の苦情は事前の説明や、養生などを徹底することでほとんど発生しません。
しかし、残念ながら全ての塗装業者がお客様のことを親身に考えているとは限らないので、お客様ご自身から塗装業者に確認や要求されることをおすすめいたします。
まずは、無料事前診断をお試しください
最適な塗料は「下地の素材や劣化状態」で異なります。
「どの塗料が最適か?」「そもそも塗装リフォームする必要があるのか?」など、まずは住宅の現状を把握いただくことが大前提です。
ゼロホームは事前診断を入念に行い、現状を解説し最適な塗装プランを提案いたします。
もちろん無料ですのでお気軽にご相談ください。